「よし、スタメンと大成メンバーで試合するか。用意しろ。」
「「はい!!」」
神崎監督の言葉に一同は気合いを入れ直しビブスを羽織った。
「よっしゃあ!!超ー楽しみ。」
胸を踊らせた未茉はバッシュを鳴らしながらジャンプすると、
「あんだけこてんぱに言われたっちゅーのに笑顔が残っとるなんて大した女やで。未茉。」
すっかり自信をなくしかけた静香は泣きべそかいてると、

「口は達者だけどあの監督ほんとに的を射てるぜ。静香の戻りはほんと昔からおせーもん。」
「なんやてぇ!!未茉ぁぁあっ」

「白石と味方か。なんか気持ち悪いな。」
歯痒い妙な感覚だと体を伸ばしながら田島が苦い表情を浮かべた。
「たらたらしてると間違えてボール奪ってしまうかもしんねぇぜ?田島さん。」
未茉がニヤッとして言い返すと、

「ウィンターカップではお前のその減らず口を二度と叩けないように地獄に落としてやるからな。」
「ああ。楽しみにしてるぜ。せいぜい最後の冬に恥かかされねぇーようにな!」

「・・・静香。あの女ぶっ飛ばすの今なら協力してやる。」
「田島しゃぁあぁんっ!!」


「白石さん、頑張って。」
ポンッと軽く背中を叩かれ振り返ると、見守るように暖かい目をした早乙女が力強く頷いてる。
「早乙女っ!ありがとっ!!」
ニコッと微笑むと、早乙女の顔はみるみる赤くなってく。

「未茉、頑張れよ。」
匠もそう言うと、
「おー……」と言いかける横から、
「ありがとうございます!!匠さんが見とってくれてるだけで静香元気100倍勇気100倍やっ!!」
「あ・・ああ、うん。静香ちゃんも頑張ってね。」
「はいっっ!!♡♡」
タックルするようにやってきた静香にまた未茉は吹っ飛ばされ、
(あのアンポンタン静香の野郎・・・覚えとけよ。)
ピクピクッと口元がひきつるであった。