「わぁぁあっ!!うまそぉー!!!」
リビングに戻ると部屋いっぱいに広がる香ばしい匂いと共にお好み焼きがちょうど出来上がり目を輝かせた。

「たくさん食べてねー!」
「はぁーいっ!!いただきまぁーす!!!」
手を合わせて大きな声で挨拶して大きな口で、がぶりと一口食べ、
「おいしいー!!!幸せだなぁー!!!」
「うん。旨いな!」
みんなで頷きながらすぐにペロッとたいらげてしまったので、
「よしっ!今度はあたしが焼く!!おばさん座ってて!!」
「まぁー嬉しいー!」

「お前できんの?」
信用ならず細い目で結城が見てくる。
「いや、焼くだけだろ。」
そこへ三上が冷静な突っ込みを入れる。

「よし、結城。おめぇにはスペシャル焼きにしてやる。」
そう言って未茉はプレートの隅にお煎餅サイズのお好み焼きを焼く。
「おいっ!!!なんで俺だけこんなちっせぇーんだよっ!!!」
「「あはははっ!!」」
みんなで大爆笑して食べると、

「いやぁー。みんなで食べると旨いねぇ~!最近瑞希と二人メシだからなぁ。」
なんとなく出た未茉の言葉に翔真は箸を止めた。
「和希も食いたがるだろうな。」
痛みに耐えてるのかと思うと自分だけバスケして美味しいご飯食べて幸せなのが当たり前なのに心苦しくどこかで感じてるのか、急に彼女の横顔は寂しげだった。

「母さん、これ持ってける?」
翔真が尋ねると母はハッと気づき、
「あ、タッパがあるわよ!」
「ん?」
「持ってて持ってて!弟さんに食べさせてあげて!」
「えっいいの!?」
「もちろんよ!」
「わぁーいっ!絶対喜ぶ!!ありがとう!!」
その心から嬉しそうな笑顔に翔真もみんな嬉しそうな笑みを浮かべた。