「冷房効いたとこでしたいんでしょ?」
冷房を効かせたの自分の部屋に連れていくと、
「わぁーいっ!!」
案の定、ベッドの上にダイブし跳び跳ねている。ドライヤーのコンセントを入れて翔真は未茉に手渡すと

「えー。やってくんないのぉ?」

「しょうがないな…」
「わぁーいっ!!」
合宿の時に乾かしてくれたのが楽で嬉しかったのか甘えながらおねだりする彼女の後ろに回り座った。

彼女には大きすぎる自分のティシャツを着てほんのり火照る姿にも平常心を失いかけ、ゴムで縛っていたまとめ髪のうなじにキスしたくなるくらいの後ろ姿を翔真は思わず見とれていると、


「キス、してもいいぜ?」

翔真の胸へ寄りかかり後ろを向きながら未茉は待っているかのような笑顔で言った。

「心の中読まれたかと思った。」
「あははっ!翔真の心の声でけぇしな!」

髪ゴムを取りパサッ……とおろしドライヤーのスイッチを入れて翔真は乾かし始めてしまう。

「えー。」
「はい前向くー。」
「ちぇっ。」
唇を尖らせて未茉はふて腐れるも、中腰になり振り向いてドライヤーを持つ翔真の手を掴み、
「ん!」
もう一度、目を閉じてキスをおねだりして待つと

ぶぉおおーんっ!!!

「ふんぎゃぁっ!!!」
未茉の顔にドライヤーの温風を浴びせられる。
「あはははっ!」
目を開けると翔真は笑っている。
「何すんだよぉ・・・もぉーー!!!」
反撃をしようと翔真の髪を両手でボサボサにしようと、その体の上に覆い被さるように乗っかる。

「……」

自分のお腹の上に未茉が半パンから見えるスラッとした長い足で股がっていて、体勢を崩して横たわる自分の真上から彼女は見下ろすように笑っている。

「翔真?」
「……ううん。」
不自然なく目を少しそらして起き上がり彼女を自分のお腹からおろすと、違和感を感じたのかそのまま離れなかった。

「なんか変。いつもならくっついてくんのに。」
「早く行かないとお好み焼き結城達に食べられちゃうよ。」
「えっ!!それ絶対ダメ!!!」
焦った未茉はすぐに前を向き翔真に髪を乾かしてもらった。