「和希、あんまバスケしてぇとかいう奴じゃねーからなんかビビったな。」
寮までの終電の乗り換えの時間ギリギリまでいてくれた健と未茉は駅まで歩いて帰った。
「なんとなく悟るもんがあんだよ。自分の体だ。この怪我が長引くなって感じてんだよ。」
「そっか。家帰ってきてはゲームばっかやってるけど、なんだかんだ毎日部活でバスケはしてるからなぁ…」
「しかも和希はお前と颯希さんとは違って小さい頃から練習嫌いだったしな・・・」
「そーそー!しかもアイツはあたしと違ってパパに強制的にバスケやらされた口だからな!」
「でも成長したんだなぁ。自分の意思でバスケやりてぇってなったんだからよ。」
和希が中学入ってからは離れていたからか、急に成長をしてく弟の姿に健は思い馳せていると、
「それは健兄がうちらにバスケの楽しさ教えてくれてたからだよ。」
「……」
「最近気づいたけど、いつも健兄うちらの練習に付き合って教えてちっとも自分の練習できてなかったよな。」
「そんなことねーよ。」
「あるよっ!!あるっ!」
相変わらずクールに言い放つ健の腕を掴んで強く言い放つと、未茉はその肩に寄り添いながら歩き、
「ありがとな。兄貴!」
素直な言葉にふっと微笑むもしばらくして目を閉じてため息つき、
「健兄?」
「さっき清二さんから聞いたけど、このまま腫れひくのが遅ければ歩けるのでさえ数ヵ月かかるらしい。」
「えっ!?」
思わず未茉は足を止めて驚いた。



