「しょ・う・ま・君~~♡」

シュート中、急に背後からそう呼ばれ悪寒が走り翔真は振り向いた。
「な…何?翔真くんって嬉しいけど気持ち悪いよ。」
帰ったはずの彼女がいるのにも驚いたがその呼び名にも驚いた。

「ユリ来てんぞ!正門で待ってるから行ってやれよ。」
「……あ、うん。」
「じゃーな!」
未茉は笑顔で手を振ると、見ていた結城に引き留められる。

「・・・アホか!お前っ!元カノを手助けしてどうする!?」
「は?」
「なんでそう易々と翔真を元カノに橋渡しする馬鹿がどこにいんだよっ!!お前、前園さんに翔真取られてもいいのか!?」

「え、なんで?呼びに来たら翔真取られんの?」
「そうじゃなくて・・・」
頭いてぇーなとその鈍さに頭抱える。
「お前自身が健さんとの間で宙ぶらりんしてる今の状態であんな可愛い元カノユリが接近してきて翔真も魔が差してもしんねーぞ!!」

「あ?ユリは話聞いてもらいたいんだけだろ?アイツ翔真がいなきゃバスケできねー甘えんぼちゃんだからよ。」
「・・・・。」
「それならそれで翔真に慰めて貰えばいーんじゃねーの?アイツがこのままバスケから離れることの方が問題だろ。」
「でも向こうは下心のある元カノじゃねーかよっ!!」

「あ?元カノ元カノって……そんな昔のこと気にして話聞いて貰えねーの自分だったら嫌じゃん。」
焼きもち一つすら妬かず平然と答える未茉に結城は苛立ちのため息をつき、

「お前がそうならそれでいーけど・・・もう。っとにどうなってもしんねーかな!?お前も辛くなってもしらねぇからな!?」
付き合いきれねーとボールにあたるように強めのドリブルでコートに戻っていくのであった。