「ある程度好きなら大体のカップルなら付き合うのが普通だよ。それだけ好きなら付き合えばいいじゃん?」
「そ・・!!そうだよっ!三上っ!!ナイス!!」
身を乗り出して結城は興奮気味に同調する。

「翔真と付き合えば逆に気になっていた星河兄のこと吹っ切れると思うよ。」

「え・・そうなの?」
未茉の中で思いもよらない意見だった。
「うん。付き合ってけば想いも深まるしね。」
「なるほど…」

「根本的に付き合うっていうのは、結婚するわけじゃないから一緒にいて過ごして気持ちを確かめあって深めていくものだし、完全体な気持ちじゃなくてもいいんだよ。」

落ち着き放ったしっかりとした口調がまた説得力があり、未茉の心にもすんなり入ってきて、
「なるほど……!!!三上大先生は数学だけじゃなくて恋愛も得意分野なのであるかっ!?」
「・・まぁ、白石よりはね。」
呆れながらそう言うと、未茉は“うーん”と腕を組み、唸り声をあげ数秒考えた。
(健兄の怪我も大丈夫だって言うしなぁ。仮に付き合ってもそこまで傷つかないよな……)


「そーだよなぁ……よしっ!!じゃーそうしよっかなっ!!!」

パチンッ!と手を叩きながら何かを吹っ切ったように立ち上がり、

「よしっ!!じゃー翔真!!付きあおーぜ!!!」

指を鳴らしながら翔真の方を見て言うと、
「おぉっ……!!!」
結城は目を輝かせながら二人を見るがーーー。