ガタッ・・!!!
思わずスマホを落として動揺すると、
『なにやってんだよ・・・。どんくせぇーな。』
「だって急に健兄がアメリカ人になるからよ・・・!!!」
『あ?日本語しゃべったぜ俺。』

「フツーいわねぇだろっ!!愛・・・なんてよぉ!!!」
使ったことがないであろう単語が言えずに真っ赤になり動揺する未茉が目に浮かぶ健は電話越しで笑いながら、

『お前も言ってみろよ。』

「いっ・・言わねーよ!!」
『聞くまで切らないっつたら?』
「その手にはのんねーよっ!!じゃーなっ!!!」
ピッ!と思わず勢いよく切り、ベッドに横になる。

「あー。たがが電話にエネルギー使わせやがって・・・。」

(健兄といると流されちまう。翔真のことが好きなのに。)
部屋の鏡に写る自分の首筋のバンソコウを剥がすと、
「少し薄くなったな。もーいや。」
ポイッとゴミ箱に捨て、自分の左胸に視線を落としそっと手を当てた。

(翔真を一番に考えないともう翔真を傷つけたくねーしなぁ……)
珍しくヒロインらしく恋心を考えてしまうも数秒持たずにウトウトし始め、
「ぐうっ・・・」
やはり寝落ちするのであった。