「宜しくね。白石さん。」
笑うと幼さが残る愛らしいその女性は、そうにっこり挨拶をした後、

「??」
未茉の顔をジッと見てきたので、思わず顔を首を傾げると、
「あ、ごめん。あんまり颯希君には似てないんだなって思って」

「顔も性格もプレースタイルも何もかも似てないはずだよ。」
「……え?」

「あたしは兄貴が世界で一番嫌いだからね。」

「!!」
驚いたのは神崎と、知っていながらも改めて口にした未茉を見ていた健と匠だった。

「さーっ!!練習しーよっーっとっ♪」
何事もなかったかのように未茉は両手をあげてくるりっとコートに戻ってくと、

「未茉、お前……」

後を追った健がそう言いかけた時、ビーーッ!!!と笛の音と共に後ろから

「おらっー!!!モタモタしてんじゃねぇーぞっ!!とっととボール持って来いっ!!!」
さっきまでの愛らしさはどこへやら……my竹刀を振り回す神崎監督はボールを持った途端に鬼監督に豹変する二重人格者なのであった・・・・

「なんだぁっ!?あの顔に似合わないスパルタは・・・」
未茉がひきつって振り返ると、
「ああそうだよ。あの人普段はにこやかな人だけど、バスケになると体罰スレスレだから。厳しいぜ!」
ははっとまた健は面白そうに笑った。