「白石、元気だったか?」

「あっ!橘さんっ!」
「白石がいなかったから静かで寂しかったよ。」
「えへへ~~やっぱりぃ~?」
「うん。ああ見えて前原達も内心寂しがってたからね。」
コソッと耳打ちする優しい男バスキャプテンの橘に、

(余計なこと言ってんな・・)
遠くで睨む前原に気づき慌てて目を反らすと、
「ん??」
そんな力の差に怯えているとは知らずに未茉はキョトンとしてると、

「おはよ。」

後ろから軽く頭にポンッと触れられ振り向くと翔真がやって来た。
「おー!おはよっ。」
背伸びしてジャンプしながらハイタッチして笑顔で答えると、

「あ~オアシス・・。」

しみじみと天を仰ぎながら呟く翔真に橘は、
「どうしたどうした?」
「国体合宿は気が気じゃなく心休まる時間がまるでなかったです・・・」
「?」
「見渡せば彼女に恋心を抱く者ばかりだし、マイクさんには24時間監視され・・ここには邪魔者がいないと思うとオアシスです。」
「はははっ!苦労したんだなぁ~!!」
想像がつく橘は大笑いしていると、
「あ、あれ。湊。そーでもないみたいだぜ?」
「え?」

「結城ーっ!三上ーっ!!ひっさしぶりぃーっ!!!会いたかったぜっ!!!」
後ろを振り返ると未茉が二人に飛び付くように抱きついていた・・・。