「昼に駅に着くって朝メールで言ってなかったっけ?」
もう16時を回る時計を見ながら三上は尋ねると、
「その予定だったんだけど、カラオケに行ってて…」
「カラオケ!?」
「カラオケって試合帰りに・・・お前タフだな・・。代表の連中と?」
「違う未茉ちゃんと。」

「なんだ。デートだったのか?」
ニヤニヤしながら結城は嬉しそうに着替える翔真を突っつきながら尋ねると、
「いや・・・。カラオケの個室で二人でゆっくり話したかったのに、蛇の生殺しをくらい、その後なぜかせっかくカラオケに来たんだから歌おうぜっと言われて付き合わされてた。」

「凄い想像つくな・・それ。」
目に浮かぶ光景に三上は気の毒そうに言った。「で?」
そこへ結城はすかさず詰め寄る。
「お前ら付き合ったんだろうな?!」

「残念ながら。」

「はぁっ!?もーお前ら何やってんだよっ!!?なんで!?」
「・・・話せば長くなるしその討論は散々してきたからもういいよ。」
どっと疲れが出たのか翔真はベッドに仰向けに倒れこむ。
「……」
そんな姿を見て察しがついた三上は、
「もしかして星河兄となんかあった?」

「……うん。あの人が明徳にいて未茉ちゃんのすぐ側に毎日いたら俺に勝ち目ねーだろーなぁ。」