「そうだけど」
「だから敬語使えって!!」

「白石颯希の妹ですよ。神崎監督。」
なぜかそこへ健が立ち上がり女子のコートにやってくると、
「あ、星河君…?!」
「どうも御無沙汰しております。神崎監督。」
一礼すると匠もやってきて握手を交わし深々とお辞儀をしている。

「何、健兄知り合いなの?」

田島もユリも女子部員一同が驚く中、未茉がそう尋ねると、

「王子学院大学出身で俺らの先輩。神崎監督も高校時代の女子の歴史上唯一全国ベスト4に行った伝説的な方なんだよ。」

「そうなのか!?じゃ大卒で監督!?現役じゃなくて?」

「大学時代でバスケは引退したの。どっちかっていうと教えたい派で教師希望なの。桜蘭の教員見習いよ。」
「へぇ~~!!!」
年令からくる若さのせいか、未茉は少しだけ親近感が湧いた。


「ほら未茉、挨拶だろ。私は明徳高校一年白石未茉です!センター以外ならどこでもできますが、ちょっと鈍くてバカなのが欠点となりますが、宜しくお願いします!」
健が未茉の頭を掴んで無理矢理お辞儀をさせ勝手な自己紹介挨拶をさせられると、
「おい健兄ぃ!!それ悪口じゃねぇーか!!」
「ぶっははっ」
その二人のやり取りにクスクスと彼女は笑った。