「ちょっと後ろ向いて。ひっかかってるよ。」
「おー、わりーな。」
「てか一度外すよ。」
「ぅえっ!?」
「だって挟まっちゃってるし」
「いーよ!!自分で外せるからっ!!」
避けるように未茉は振り向くとタンクトップで隠しきれてない胸とブラジャーを翔真に思いっきり見られてるのに気づき、

「見っ・・見てんじゃねーよっ!!!この変態がっ!!!」

恥ずかしさのあまり思わず翔真の頬を殴ると、

「いてぇ・・さっきは見ていいったくせに・・」
「さっきはさっきだろっ!!!もう心構えがちげーんだよっ!!!一秒立てば気持ちは変わんだよっ!!!」
「うわ悪女っぽい…」
「おーっ好き勝手いいやがれっ!」
そう言いながら未茉はホックに手を伸ばすと、胸を隠していたタンクトップが引っ掛かった状態で手から落ち、

「あっ!!!」

なにも考えていなかった未茉は、目の前にいた翔真に隠しきれない胸を見られてしまうと

ギュッ……と覆い被さるように翔真に抱きつかれた。
「翔ッ…」
「今度は十秒も持たないからね。こんなの。」
目をつぶりながら胸にジャージをかけて後ろを振り向かせ引っ掛かったホックに手をかける。

「動かないで。」

「うん」
自分の後ろで翔真の長くてゴツっとした指が背中に触れる度、ビクッと体が震えた。

(今になってなんでこんなに恥ずかしくなんだよ……)
翔真に後ろから見られてるってだけで未茉は胸が痛いくらいに脈打つ鼓動にジャージを握りしめながら俯くと、

サラッ…と髪を肩にかけると、未茉はまたビクッと体を震わすので
「ごめん。髪で見えなくて」
「おっ…おぉー」
思わず声が上ずってしまった。