「しかしすげー数だなぁ・・」

押し揉まれながらバスに到着し乗り込むも、プップーッ!とバスの運転手がクラクションを鳴らしてしまうほど、バスは黄色い声援の女の子達に囲まれていた。

「どの子にしようかなぁー。」

手を振りながら聞こえないと思ってガラス越しに品定めをするマイクに、
「うわ。最低ですね。鈴木さん(彼女)に言いつけますよ。」
「早乙女・・冗談に決まってるだろ。」
ブラックな冗談は通じず軽蔑の眼差しを送る早乙女は、プレゼント片手に笑顔で乗り込んでくる未茉と静香に気付き、

「さすが白石さんモテモテだね!」
「おう!早乙女もすげー量じゃん!」
「静香はおっさんからモテモテだったな!」
「うちかてリング選ぶ権利あるっちゅーねん!!」
「あはははっ」

バス通路を歩いてると座席いっぱいのプレゼントが積み上げられているのを見ながら、マイクの横にあったプレゼントの量に驚き、

「さすがキザ男マイク!モテるんだぁ~~~!!!」
ケラケラ笑いながら指差すと、
「呼び捨てするな・・・ため口聞くな・・・。」
いい加減起こる気も失せ始めるマイクは、
「ちなみにそれは全部そのお前の男のだぞ。」
「あ?」
すぐ後ろのバスに更なるプレゼントを手にしながら乗り込んできた男をマイクは指差すと、

「しっ・・・・!!!!」

振り返り翔真の姿を見た未茉は、
「し・・翔真さんですかぁ・・??いやぁ・・私にはお姿が見えなくて・・・あはっ…あははは…」
とぼけてサッサッサッとバッグで顔を隠して中腰で逃げるように奥へと消えてく。
「いてぇっ!!」
ずべっと座席にぶつかり転びながら。

「お前の女・・やっぱおかしいぞ・・・。」
マイクが呆れながら未茉を見ていると、
「おかしくさせたのは俺じゃなくて王子のエースです。」
翔真はため息つきながら座席に座った。