「何あんたのそのタオル・・・。農家のばぁちゃんか。」

汗がおさまるまでとりあえず首にタオルでグルグルとねじり巻きにして、男子の応援をする未茉に田島は苦笑いを浮かべる。

「裏切り者は天罰がくだるんやで。」
隣からは静香の鋭い言葉が胸にグサッと突き刺さり、
「うっ・・・苦しくて息ができんっ・・・」
未茉はもがくように倒れこむと、
「いい気になりすぎなんだよ。」
「そーそー。二頭追うもの一頭も得ず。」
田島と石井も冷ややかな言葉でグサグサと突き刺していく・・・。

ーーーバッシュッ!!
リバウンドに反応し高くジャンプをした翔真が豪快なワンハンドダンクを決め会場が沸き上がると、

「湊くぅーーんっ!!!きゃぁあああっ♡♡♡」

「む?」
隣には千葉代表の菅原芽依が身を乗り出し翔真に声援を送ってる。

「普通、自分の千葉応援すんだろ・・。」
それを見ていた田島が呆れてると、
「だって互いに何年も惹かれ合い続けた私の運命の相手ですもの♡♡きゃっ!」
夢見る少女芽依は、チラッと未茉の方を見て、

「しかもぉ~~さっき湊君に聞いたら、彼女はいないって言うしぃ~~~♡♡狙い目?」

「うっ・・・・!!!」
翔真の骨抜き女にどや顔でトドメを刺され、ハイダメージを追い瀕死の状態である。

「わー。ついに白石に愛想つきたか。」
「まー、確かに今が狙い目かもな。」
「せやな。散々お預け食らったあげくに裏切られてかわいそすぎるで。」
 
「同じ代表のエースだし、性格も図々しそうなとこも似てそうだし、湊もここらで手を打つかもな~~」
「でしょ~~♡♡??顔も芽依の方が可愛いしぃっ♡♡」

「ま、農家のおばちゃんよりはな。」

「「「ぶっあはっははははっ!!!」」」
言いたい放題の石井、田島、静香に加わり芽依と笑う四人に、
「好き勝手言いやがって・・・・おめぇらっ!!ぶっとばすぞこらぁっ!!!」

中指を突き立てて農家のおばちゃんはキレた。