「あっ!!」
突然コート内の未茉が足を止めて大声を出したので
「「ん?」」
東京のベンチサイドもその声に気づき視線を送り、
「どーしたー?白石ー!!」
「どうしたんやっ!?」
静香も走りながら尋ねると、ヌルッとした汗で未茉の首からバンソコウが剥がれてしまったのだ。
「バンソコウがっ・・!!!」
ガーーンッとショックを受けてると、
「もー諦めるしかあらへん!!汗でバンソコウなんかもうつかへんやろっ!!」
「そうだけど・・・!!!ハッ!?」
そこへアップを終えた男子達が女子の試合を見にぞろぞろとコートへやって来て翔真と目があってしまった。
「何っブツブツ言ってんだよ!!お前らっ」
そこへ走り込んできた田島が未茉にパスを送ると、
「うっ・・・!!」
首元を隠すように左肩をあげ左腕を伸ばし、妙な体勢でシュートを決める。
「なんだ・・・あのだっせーフォーム・・。」
「そしてなぜあれで入る・・?」
カクッ・・と体を崩しながら監督と小倉記者は苦笑いを浮かべた。
そして見事に勝利を勝ち取り東京女子は、関東予選を突破し、いよいよ全国のへの切符を手に入れた。
「気づいてると思うけど言っとく。」
歓声に湧く女子の試合を見ていた翔真の隣へ、スッと健が並んで立った。
「キスした。」
「……分かってます。」
翔真は健の方は見ずに未茉のいる女子達のコートの一点を見つめたまま、感情も出さずに答えた。
「受けて立つんだろ?」
「立ちますよ。」
「楽しみにしてるぜ。」
それだけ言い残し風のように健は去っていった。



