TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





試合になると未茉もいつものようなキレが戻っていた。
「よかった。よかった。」
自分に泣きわめいていた彼女もボールを持つと別人だったので神様小倉は安心の苦笑いを浮かべた。

背後で田島はドリブルしながらゴールに向かい流れるようにステップを踏みながら、手からボールは離れ消えていて、

「いつの間に!!?」
「今パスなんかしてなかったよな!?」

気づくとボールは背後から駆け出す未茉の手に渡っていて、見事に相手チームを欺いたノールックパスに、

「うまいっ!!!」

そのまま未茉は、相手の腕の隙間からのゴールへの角度ほぼ0度からの鮮やかな3ポイントシュートがスパッと決まる。


「「うぉおおおっ!!!すっげー!!!」」
会場内は沸き上がりあまりの鮮やかな神パスに目を疑い立ち上がる者までいた。

「高校生とは思えませんね……あの二人、ここ数日で組んだ連携とは思えないよ…!!」
思わず取材用のアイパットを落としそうになりながら感心する神様小倉に、
「全然互いを見てないのにドンピシャなタイミングで動くんですよ。しかもあの二人まだ力の半分も出してませんよ。」
どや顔で頷きながら答える神崎監督。

「そりゃ凄い!!白石君ならたとえ地獄に落ちてもバスケでえん魔様に見初められるさ。」

「はいぃ?・・・地獄ですか??」