健の部屋を出た未茉は真っ直ぐ歩けず廊下いっぱいにフラフラとよろけながら横歩きし、
「いってぇ……」
壁にぶつかりながら進みなんとか自分の部屋まで戻ると、

「未茉!!遅かったやないかっ!!!どこにいたん?!」

痺れを切らしたように待っていた静香が未茉を出迎える。

「な・・・なんやどうしたん!?」
健とのキスの後、生気が抜けきったような未茉はおぼつかない足取りで静香に倒れこむ。

「おわっ!!!なんやねん!!?どうしたん!!?」

支えるも全身の力が抜けきった未茉の体はずっしりと重く、
「しっかりせいっ!!試合やろっ!!後5分で集合やから着替えや!!」
ぶんぶんっと体を強く揺すられ、
「ハッ・・・・試合・・・」

その単語に未茉の脳内が少し復活し、鈍くも動き出すが、
「いてっ……」
フラフラな体をあっちこっちにぶつけている。
「何しとんねんっ!!マジ怪我するで」
静香の注意も頭に響かないまま、朦朧とした意識のまま服を脱ぎだす。

「あ、そや。さっき湊が来たで。未茉を探して……」
ばたばたどたんっ!!!
ベッドで立って着替えていた未茉は物凄い音を立てて上着を脱いだポーズのまま転がり落ちる。

「な・・何しとんねんっ!!!大丈夫かっ!!?」
「大丈夫……じゃねぇ……」
頭がクラクラとした後、現実に戻り顔色が急に青ざめていく。