「お前はバカか・・・。」
全ての経緯をマイクから聞いた健は部屋に未茉を呼び出して呆れ返ると、
「だってー。なんか嫌じゃん。自分のせいで健兄があんな年増と」
「だからって教員室にセックスしたかどうか確かめに行くバカがどこにいんだよ!」
「気になんだろっ!?」
「おまっ・・いたのがマイクや工藤監督だったからよかったもののヘタしたら処分くらうとこだからな!?」
「だってみんな風呂場で噂してたんだぜっ!?健兄と神崎のこと!」
「お前ら女子の風呂場はどうなってんだよ・・。国体代表のバスケ選手だろ。」
「そーだけどよ……」
腕のことがみんなに知れてイラついてるのか、思い通りにいかない腕にイラついてるのか、健は珍しく未茉に対しても突っかかってきた。
「分かった。もーお前、湊と付き合え。」
「!!」
今の話の流れでなんでそうなるのか理解不能の未茉は面倒くさそうにそう投げる健に驚いた。
「なんだよそれっ!?なんなんだよその言い草はよっ!!」
頭にきた未茉はドンッ!と健の胸を押し壁にぶっつけると鋭い眼差しで睨み返され、
「俺が傷つくと思って湊と付き合うの我慢してんだろ?だったら付き合えってんだよ。」
押し付けられた未茉の手を振り払いながら、
「安心しろ。たとえお前が湊と付き合っても俺は当て馬女なんかとも付き合わねーから。」
「あっそ。分かったよ。」
「おー。」
未茉は背を向けて部屋を出ていこうと歩き出すと、
「…おい。」
何かを感じた健はそう呼び止め、駆け寄り未茉の腕を引っ張り振り向かせた。