「今朝、監督が健兄の部屋から人目を忍ぶかのように出てきた。」

「「「えっ!!!?」」」
「あたしが声をかけたらうろたえてた…監督。」

「うわっー。監督もやっぱ女だなぁ~。イケメンには弱いか。」
噂話が信憑性を増し、面白そうに田島は体を伸ばしながら頷く。
「王子出身だからかあの二人元々知り合いって感じだしね。」
「未茉に相手にされんから年上美女に慰めてもらったんかもなぁ~。」
「でも星河弟がいるのに部屋に止まったっーのは凄いな。」
「もしやもしやの3Pとか?」
「止めてくださいよ!!田島さんエロイッ!!なんか想像つくっ!!!」
「つかへんっ!!!想像なんかつかへんっ!!!匠さんがそんなことするわけあらへんっ!!!」
「なんだ静香。振られても匠の肩は持つんだなぁ~~~。」
ワイワイと三人が盛り上がる上で未茉は全裸で放心していた。

「いつまで立ってんだよ。白石。」
田島が軽く未茉の足を蹴りながら睨むと

「だって健兄と監督がセックスなんて想像絶・・・」
「何言うとんねん。よかったやないか。未茉」
「何がいいんだよ!?」

「これで晴れて湊と付き合えるやないか。」
「?!」
「健さんの傷つく顔が見たくないんやろ?大丈夫や。あの年上女に慰めて貰っとんのやから。傷つくことはあらへん。」

「…そうなのか…?」

「そうね。健は器用そうだしな。」
「うん。なんだかんだ傷つかなそうだしね。」
田島と石井は頷きながらそう言うと、
「せやからこれで湊と心置きなく付き合えるやないか。このままキープ状態続けて今度はユリに持ってかれても知らへんで!?」

「おー。静香。うまくまとめた。」
「そー。その通りだね。」
うんうん。と頷きながら納得する石井と田島。

「健兄は全然器用なんかじゃないっ!!!」
放心状態から思わず未茉は大声で叫ぶと、風呂から出ていった。

「え・・・何。」
「超キレてるけど大丈夫?」
三人は顔を見合わせ嫌な予感を察知した。