「だって俺とのキスは元気でるんでしょ?」


未茉の手汗交じりの震える手のひらに、翔真の大きな手を合わせてゆっくりと包むように折り曲げ指を絡ませた。

真っ暗な景色の中、止まったゴンドラは時間さえも止まってしまったみたいで世界中で互いの存在しかないみたいに思えた。

…こつん。と翔真からおでこを合わせ未茉を見つめながらお願いするような甘い声で言った。


「俺のものじゃなくていいから、俺しか見ないで。」

「ばーか。」

好きすぎて嬉しすぎて思わずなぜだかムカつく程、彼が可愛く見えた未茉に笑みが溢れた。

愛されてる感じが伝わってくるのが今さらながらくすぐったくて、おでこを離し照れる未茉は翔真との胸に顔を隠すように埋めると、


「・・・・てめぇ!!わざと揺らしてるだろ!?」

「ぷっ!あはははっ!!」