TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





「でも健兄にだけはキスされて怒れなかったし、拒めなかった。」

「……」
「顔見ると言えねーの…やっぱり自分の中で健兄は大事な存在で健兄を傷つけてまで、今は翔真と付き合えないって分かった。」
気づいてしまった自分の本当の気持ちは伝えようと思った。

「散々引き伸ばして付き合うとか言っときながら結局マジごめん。」
「ううん。正直に言ってくれたから何も辛くないよ。」
いい加減キレられるかと思ってた未茉だったが、むしろ翔真は納得したように頭を軽く撫でながら微笑んでいた。

「怒らねぇの?」
「なんで?正直な気持ちなんでしょ?」

「ああ。でも付き合いたいんじゃねーの?もう苛々してんじゃねーの?」
「イライラしてたのは、好きな子が誰かとキスしてたからだよ。別に付き合えなくてとかじゃない。」

「そうか。」
翔真の気の長さを尊敬するような眼差しで見て腕を組ながら未茉は頷いてる。

「今日再会したお前を泣かしたあたしよりブス女と付き合うか?」
「・・・あのね、その言い方をまずやめなさい。」
「あんだよ!!あたしの方がいい女だぜ?!」
「そういうことじゃなくてそもそも…」
「いいぜ。もし、他の所に行っても取り戻す自信ならあるぜ。あたしの方が可愛いって言わせてやる。」

(その言い方が充分可愛いな…。)
すぐに未茉に絆されてしまう天然翔真・・・。