到着したのは渡り廊下だった。


放課後になると誰も通らない、静かな場所だ。


「話ってなに?」


髪の毛を整え、心の準備を整えてゴウを見上げる。


ゴウの日焼けした肌が西日に照らされてキラキラと輝いている。


「あのさ……」


ゴクリと唾を飲み込み、言葉を聞き逃すまいと耳を傾ける。


「アマネのことなんだけど」


そう言われ、あたしは一瞬返事ができなかった。


アマネのこと……?


「な、なに?」


緊張していた気持ちが一瞬にして萎んでいくのを感じる。


「最近、イジメられてるみたいだけど?」