値札人間

少し厳しい意見を言っても、アマネが成長するほうがずっといいと感じられた。


アマネ自身だって、クラスで最下位の数値だなんて知ったら傷つくだろうし。


「運動も勉強もクラスで最下位なのはアマネだって嫌でしょう?」


「それはそうだけど……」


そう言い、アマネはうつむいてしまった。


直接指摘をされると途端に弱くなるのがアマネの悪いところだ。


「ちゃんと相手の意見を聞きいれたりしてる? 言い訳ばかりしてたらいつまでたっても上達しないよ?」


「わかってるよ? 今日はどうしたのアンリ。なんか、いつもと違うみたいだけど?」


おどけた様子でそう言ってくるアマネをあたしは睨みつけた。


「あたし、本気で言ってるんだよ? このままじゃアマネはなにも変われない。ずっとイツミにバカにされたままでいいの?」


「い、今イツミのことは関係ないじゃん。体育の授業のことなんだからさ」


そうは言ってもアマネが気にしていることは一目瞭然だ。


今も、あたしから視線を反らせている。


「もういい。なにを言ってもアマネは変われないんだよ」


あたしは大きなため息とともにそう言い、アマネを置いて更衣室へと向かったのだった。