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アマネには申し訳ない気持ちがある。


でも、価値の低い子と一緒にいることで自分の価値まで下がってしまうのではないかと懸念があった。


自分の数値は自分で見ることができないから、こうするしかないんだ。


「ちょっとアマネ! もっと早く走れないの!?」


アマネと同じチームになってしまったアキホが声を上げる。


その表情は本気でイラついているようで、周囲の生徒たちから緊張が伝わってきた。


「ご、ごめん!」


アマネは飛んできたボールを追いかけても間に合わないし、サーブも決まらない。


アキホがイライラするのも理解できるほどの運動音痴だった。


「ほんっとに役立たずなんだから!」


結局アキホのいるチームは1点しか入れることができず敗退。


ただの授業内での試合といえど、アキホは納得できない様子だ。


「先生! 今度はチームを変えてください! サーブは得意な生徒にだけやらせたらいいじゃないですか?」