「ありがとう」と言いながら額の数字を確認してみると、思っていた通りゴウの数字はさっきよりも上がっているのだ。


その代り、お弁当箱を落としたあたしを見て鼻で笑うイツミの数字は減っている。


間違いない!


あたしに見えている数字は、その人間の価値なんだ!


そう理解すると同時に嬉しさがこみ上げてきた。


とにかく、この数字が人の生死に関わるものじゃなかったことに安堵する。


同時にゴウの数字が高いことが誇らしく感じられた。


「たまには食堂で食べるもの良かったね」


アマネに声をかけられてあたしは笑顔で頷いた。


けれど、アマネに数字の低さに一瞬で笑顔がひきつるのを感じた。


アマネは優しくていい子だ。


でも、それだけじゃ数値は上がらない。


ある程度勉強やスポーツができなければならないのだ。