値札人間

☆☆☆

翌日、あたしはいつも通り目を覚ました。


ベッドの横に置いてある時計は7時を指している。


今日は走って学校へ行く必要はなさそうだ。


そう思い、上半身を起こして大きく伸びをする。


「アンリ。今日は起きてるの?」


昨日のことがあったからか、お母さんがノックもないし部屋に入ってきた。


「起きてるよ」


返事をしながら振り向き、息を飲んだ。


お母さんの額にくっきりと刻まれた数字を見てしまったからだ。


そうだ。


あたしは昨日から人の額に数字が見えるようになっていたんだ。


病院に行っても原因はわからず、寝て起きても、それは変化していなかったようだ。


「驚いた顔してどうかした?」


「べ、別になんでもないよ。着替えたらキッチンへ行くから」


あたしは早口にそう言い、お母さんを部屋から追い出したのだった。