値札人間

「どうしたんだアイリ。このカレーすごく美味しいぞ」


「上手にできているわよアイリ」


ニコニコと笑う2人に、あたしは返事をすることもできなかった。


今朝2人と顔を合わせたときは数字なんて見えなかったのに、どうして……!?


これが死へのカウントダウンだったらどうしよう。


一瞬にしてそんな不安が浮かんできて、あたしは思わずその場で立ち上がっていた。


知らない間に指先がカタカタと震え始めている。


「アイリ?」


お母さんが不思議そうな表情をあたしへ向ける。


「あ……あたし、部屋に戻ってる!」


あたしは悲鳴を上げてしまいそうになるのをどうにか押し込めて、自室へと駆けもどったのだった。