値札人間

それから30分ほどであたしの番がやってきた。


50代のスレンダーな体系の女医が「どうしましたか?」とあたしの目をまっすぐ見つめて聞いてくる。


あたしはどうしても相手の額に視線を向けてしまった。


そこにもやはり、数字が書かれている。


あたしは大きく息を吸い込んで「今朝から目の調子がおかしいんです」と、伝えた。


「どのようにおかしくなりましたか?」


その質問に一瞬言葉を詰まらせた。


素直に説明して信じてもらえるかどうかわからなかったからだ。


だけど、ここまで来てなにも話さずに帰るわけにはいかない。


あたしは覚悟を決めてゴクリと唾を飲み込んだ。


「変な数字が見えるようになったんです」


「数字……?」


先生は眉間に眉を寄せて聞き返す。