値札人間

☆☆☆

学校を早退して向かったのは学校の近くの眼科だった。


体の調子はそんなに悪くないから、この目を確認してもらおうと思ったのだ。


ところが、学校を出て眼科まで歩くだけで何人もの人とすれ違い、その全員の額に数字が見えてしまったのだ。


犬の散歩をしている70代くらいの紳士。


学校が早く終わったのか自転車に乗って遊びに行く途中の小学生。


庭の花に水をやっている主婦。


「どうなってるの……」


すべての人々の額に数字が見える現象に、次第に心臓がドキドキし始めた。


背中に嫌な汗が浮かんできて、呼吸も荒くなる。


額に数字を書いた人々はいつもと変わらぬ日常を過ごしていて、数字のことを気にしている様子はない。


彼らはあたしとは違い、数字が見えていないのだろう。