値札人間

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イブキとのデート当日、あたしは張り切ってお気に入りのワンピースを着た。


ブルーの生地に白色の花がちりばめられていて、女の子らしいデザインになっている。


待ち合わせ場所のコンビニに現れたイブキはお客さんや通行人の視線を大いに集めていた。


ジーンズとTシャツという目立たない格好なのに、背が高くて整った顔をしているイブキが着ると、それだけで絵になる。


「あれ? 今日はマスクしてるけど、どうかしたの?」


イブキは顔の半分が隠れるような大きなマスクをしているのだ。


それでも十分にかっこいいけれど。


「今朝から鼻水が出てるんだ」


イブキは申し訳なさそうに答えた。


「風邪? 大丈夫?」


「平気平気、体は元気だから」


「本当? なにかあったら言ってね?」


あたしはそう言いイブキと肩を並べて歩き出したのだった。