あたしの言葉にイツミは目を見開いた。


あたしがイブキを呼び捨てにしたことに衝撃を受けたみたいだ。


「あんたにはゴウがいるでしょう?」


そう言われ、あたしはゴウへ視線を向けた。


友人と一緒にサッカー雑誌を見ている。


「ゴウはゴウ。イブキはイブキだよ」


そうだ。


それにあたしはイブキの彼女になったワケじゃない。


クラスメートと仲良くしているだけなのに、文句を言われる筋合いはなかった。


「ちょっとイツミ。そういうのやめなよ」


一部始終を見ていたヤヨイが声をかけてくる。


「だって、アンリは誰にでもいい顔してるから!」


「誰にでも不満をぶちまけてるよりマシでしょう? それに、ゴウ君もイブキ君もイツミのものじゃないんだから」