値札人間

あたしと番号交換がしたいって言っていたけれど、これじゃ当分無理そうだ。


ただの社交辞令かもしれないし。


もっと他に、イブキと近づく方法を考えないと……。


「ねぇアンリ」


突然後方から声をかけられて振り向くと、そこにはイツミが立っていた。


「なに?」


「ゴウのことなんだけど」


イツミの口からゴウの名前が出てくると、とたんに緊張してしまう。


なにを言われるのだろうかと、自然と身構えているとイツミは満面も笑みを浮かべた。


「あたし、ゴウのことは諦めることにしたから」


「え?」


突然の申し出になんと返事をすればいいかわからなかった。


「だって、イブキ君の方がかっこいいじゃん?」


目を輝かせてそう言うイツミにあたしはすぐに納得した。