値札人間

後ろから声をかけると一斉に振り向かれてたじろいでしまった。


気を取り直し「イブキ君、ちゃんとご飯食べたの?」と、周囲の生徒に質問した。


あちこちから「えぇ? 知らなぁい」という生ぬるい返事があり、ため息を吐きだした。


そんなことだろうと思っていた。


「こんなに集まってちゃイブキ君はご飯も食べられないでしょう?」


反感を買うかもしれないと思いつつ、言わないと気が済まなかった。


「いいじゃん別に。イブキ君嫌な顔してないんだしさ」


「そうだよねぇ? どうしてアンリが仕切るの?」


そう言われたら言葉に詰まってしまう。


あたしはただ、イブキのことが気になっただけだ。


その気持ちはきっとみんなと大差ない。


「ありがとう」


人ごみの中から聞こえてきた声に、あたしは目を見開いた。


「そろそろご飯食べたいなぁって思ってたところなんだよね」