値札人間

☆☆☆

「応援してくれてありがとう。おかげで勝てたよ」


部活が終わり、あたしはアキホと2人で帰路を歩いていた。


偶然にも家の方向が同じだったのだ。


「あたしはただ声を出してただけ。アキホは本当にすごいよ!」


本心からの褒め言葉だった。


今まであまりスポーツをしてこなかったけれど、自分の心が興奮していることがわかる時間だった。


「どうやったらあんなサーブが打てるようになるの? コツとかある?」


「そうだね。あたしがやってるのは……」


あたしはアキホの練習方法をしっかりと脳に刻みつけた。


あたしなんかが少し練習したくらいで上達するとは思えない。


けれど、スポーツだって勉強と同じで、上手な人を真似ることである程度までは上達できるはずだ。


「ありがとう! 今度の授業で試してみるね!」


アキホからバレーの秘訣を根掘り葉掘り聞き出したあたしは、気分よく家へと戻っていったのだった。