値札人間

教室に残っていたクラスメートたちから視線が注がれ、居心地が悪そうに端へと移動していく。


「俺が口を出すのはダメだろ」


小声になってそう言われたけれど、あたしは首をかしげた。


「どうして? ゴウが男だから」


「それもあるけど……。イツミは俺のことが好きだろう?」


とても小さな声でゴウは言った。


その瞬間「あっ」と、声を上げる。


そうか、ゴウはイツミの気持ちに気がついていたのだ。


ゴウがアマネを庇えば、イジメの主犯格であるイツミは黙っておかないだろう。


アマネイジメは更に過激化することが、安易に想像できた。


ゴウはずっとそのことを懸念していたようだ。


ゴウの優しさに思わず嘆息する。