値札人間

もちろん、部活に入るつもりじゃなかった。


成績が上がってきたから今度はバレー部のアキホともっと仲良くなるつもりなのだ。


文武両道で成績を収めることで、あたしの数値はもっと上がるはずだからだ。


「少しでいいから話せないか? アマネのことが気になるんだ」


やっぱりアマネのことか。


あたしは大げさにため息を吐きだした。


「ゴウはどうしたいの?」


「え?」


「そんなにアマネのことを気にしていたって、全然行動に移してないみたいだけど?」


つい、強い口調になってしまう。


「それは……」


そこまで言って言葉を詰まらせている。


言いにくいことのようで、周囲を気にしているようだ。


「アマネのことが好きなの?」


「それは違う!」


あたしの質問にゴウは驚くほど大きな声で否定した。