「え……!?」


田代さんの言葉にあたしは目を見開いた。


「で、でも外では車も事故を起こしていましたよね?」


あたしは体を切断された運転手を思い出していた。


車の中にいるからと言って安全ではないことは、もう知っている。


「そうだ。窓やドアの隙間風でも体が切り刻まれうるみたいだな。だから、ガムテープで目張りをしておくんだ」


「目張り……」


それなら風が入ってくるリスクはかなり低くなるかもしれない。


小さな希望の光が目の前に広がった気がした。


「車は駐車場にあるが、そこにたどり着くまでに風が吹かなければ大丈夫だと思う」


田代さんは説明しながらレジ台の下からガムテープを取り出した。


「一か八か、行ってみるか?」


田代さんからの問いかけに、あたしは「行きます!」と、大きな声で答えたのだった。