だから、言えない



心臓がぴょんっと
ジャンプしたような気がした。
と同時に顔がふわぁと
熱くなってきたのがわかる。

村薗先輩の囁き声は
本当に色っぽくて、
聞けばとろけそうになる…。


「あっはは!
冗談、冗談」

先輩はもとの体勢に戻ると、
私の頭をぽんぽんと優しく叩いた。

「せっかくだから、
お言葉に甘えて、
上がらせてもらおうかな?」
「ど、どうぞ…」

村薗先輩をこたつに座らせて、
先輩のコートをハンガーにかけているときも、
まだドキドキしていた。