だから、言えない


「お、お疲れ様です」

先輩は、
私の住んでるアパートの前まで
送ってくれたことはあっても、
私の部屋に来たことなんて
今まで一度もなかったから、
驚いて、ドキドキした。

「ごめんね、遅くに」

先輩が笑顔で首を横に傾けた。

「いえ!…あのう、
何で私が201号室って知ってたんですか?」
「あれ?ずっと前にことちゃんが
教えてくれたよ」

そうだったっけ?
覚えてないけど、
まあいいや。

「今日は大変だったね。
これ、よかったら…」