だから、言えない



竹本がへらへら笑いながら
自分の後頭部をさすっているのを見て、
俺のなかで何かが込み上げてきた。

「お前っ!!
俺を殺す気かよっっ!」
「へ?」

気づけば俺は、
竹本を力いっぱい抱き締めていた。

竹本の耳元で俺は
声を震わせてこう言った。

「まじで…心臓…止まるかと思った…」
「…」

竹本は何も言わなかった。
一体どんな顔してんだろうか。

「心配させんなよ…ほんと…」

俺がそう言うと、
竹本も俺の背中に手を回した。