だから、言えない



「車と事故ったってきいた…
大丈夫…なのかよ…」

俺の声は震えていた。

「車と事故ったんじゃなくて、
一人で自転車ごと溝に落ちて
動けなくなってたところを、
通りすがりの車の運転手さんに
助けてもらったんですよ」

竹本が恥ずかしそうにうつむいた。

そこ、照れるとこじゃねぇからな。

「頭を強打したから、
一応病院でみてもらおうってなりまして。
さっき検査したところです。
顔と腕にはちょっとかすり傷がありますけど、なんてことないです」