だから、言えない



それはつまり、竹本がいるときだけ、
俺の世界は動いていくということだ。

竹本のこと、心配だ……
あいつに今すぐ会いたい……

ったく。
俺がこんなこと、思うなんて。


「おいこら、竹本…」

病院へついてみると、俺の心配はよそに、
待合室で楽しそうに
専務とスマホでゲームをしている竹本が
目に入った。

右の頬と、左腕を怪我したのか、
ガーゼのようなものが貼られていた。

でもそれ以外、何ともなさそうだ。

「えー、専務そこはだめですよ。
私、角とっちゃいますよ」