だから、言えない



「わしが病院で、
たけもっちゃんについてるから、
君らはそのままで大丈夫。
片林さんには、わしから連絡しとくからなぁ。
そろそろ始まるみたいだなぁ。
うんにゃあ、切るぞぉ」

始まる?!
なにがだよ?!

「ちょっ!どこの病院ですっ?!」

おいおいおい…
落ち着け俺……

俺らしくねぇぞ、
取り乱すなんて。

受話器を持ってない方の手が
微かに震えてるのが自分でもわかった。


でもどうしようもできなかった。
とにかく、竹本のもとへ行かねぇと。
このじいちゃんダメだ。
状況がわからねぇ。


なんとか専務から病院名だけ聞き出し、
俺は上着を羽織った。

「僕もいきたいとこだけど、
佐山くんがいくならここで待っとくよ。
状況が分かったら、
すぐに連絡してくれよ」

飯田さんも心配そうな顔をしている。