「ありがとう。ことちゃん。
俺…実はことちゃんのこと…」
好きなんだって言いたかったけど、
止めておいた。
卒業して、どうせ会えなくなるのに、
そんなこと言ったって、
ことちゃんを困らせるだけ。
それにことちゃんは、
後二年、キラキラの高校生活を送るわけで、その間に好きな人ができて、恋愛したりするだろうし、
邪魔しちゃ悪いかなって思って。
「何ですか?」
「……
ことちゃんのこと、いつも応援してるよ」
「ありがとうございます」
その笑顔も見納めかな。
大学に入ってこの町を出てから、
連が小さな会社に就職したときいたから、
夏休みになると、
実家へ戻って連に会いに行った。
「就職おめでとう」
「近所のねぇちゃんのコネだけどな」
俺達はいつもの河原で寝そべりながら、
近況報告をしあった。
「大学はどうなんだよ?
経済学部だっけ?」
「つまらないよ」



