だから、言えない



部活でいつも一緒にいるようになって、
ことちゃんが、
誰よりも練習を頑張る子だってことや、
意外に面倒くさがり屋なこと、
漫画が好きなこと、
絵を描くのが上手いことを知った。

中学校の時みた、
あの彼氏は半年くらいで別れたらしく、
その後誰とも付き合ってないときいて、
ほっとしてる自分がいることにも気づいた。


そして、
俺がよく女の子に呼び出される場所は、
ことちゃんのお気に入りの
個人練習の場所らしく、
俺が告白されて、
ふっている姿を目撃される度に、
俺達は気まずい雰囲気になった。


「村薗先輩は、ほんとにモテますね。
一週間に一回は告白されてませんか?」

今日もことちゃんお気に入り場所で
女の子をふっているのを見られた俺は、
そのままこの場所で
ことちゃんと二人きりで話していた。

そして、こういうことはよくあった。


「そんなことないよ」
「村薗先輩は、
モテる要素しかないですもんね」

ことちゃんはおもむろに
ポケットからせんべいをとり出すと
ボリボリ音をたてて食べ始めた。