だから、言えない



私が事前にサーチした観光スポットを
いくつか周り、
程よく疲れたところで、
お待ちかねの温泉宿へと向かった。

チェックインを済ませ、
夕食の時間まで自由という事で、
私は同じ部屋の塚尾さんと一緒に
浴衣に着替え、
温泉へと向かった。

ちなみに、私は部屋に備えてある浴衣、
塚尾さんは貸し出しの
かわいいピンクの浴衣だ。

「竹本さん、浴衣、
それでよかったんですかぁ?
佐山さんがっかりしますよ」

温泉の脱衣場で、
ウォーターサーバーがあることを
確認した塚尾さんが、
私にそう言った。

「別に佐山さんに見せるために
着るわけじゃないし」

私が下着姿になると、
塚尾さんがまじまじと私の体を見つめた。

「ほんと、お子さま体型ですね」
「もー、気にしてるのに…」
「ところで、
佐山さんとはどうだったんですか?」

塚尾さんの声のトーンが急に小さくなった。

「なんのこと?」
「忘年会のあと、
寝たんですよね?
佐山さんと」