だから、言えない



皆が大勢でおにごっこや、
かくれんぼをしているのを見て、
うらやましいと何度思ったことか。

俺はこういう大人数で
遊んだことがない。

「どーこーー?」

遠くでふうちゃんの声が聞こえる。

「くっくっ。
ふうちゃん、
まだ誰も見つけてないみたい…」

あいりがヒソヒソ声で笑った。

俺も笑いそうになった。

なんだろう、今、俺は、
10歳の頃に戻った気分だ。

見つかるかな?
見つからないかな?

ワクワクして楽しい。
皆で遊ぶのって、
こんなにわくわくして楽しいんだ。

誰にも受け入れてもらえない子供時代を
過ごした俺にとって、
この朝河家の皆が、
すぐに俺を受け入れてくれたことが
すっげぇ嬉しい。

誰も俺に冷たい目を向けなかった。
俺に話しかけてくれた。
俺を見てくれた。

なんだろう…この暖かい気持ち。
泣きそうだ。

俺、最近変だよな。
よく泣きそうになる。

「あー、たたた」
「どうしたの、
ことかちゃん?」