だから、言えない



「「あ」」

押し入れの中で、
三角座りをする竹本とあいりが、
同時に言った。


「ごーお…」


あいりが、俺の顔を見上げた。

「もう時間ないよ」
「あいりちゃんと、
佐山さんも入ってください!」

竹本が押し入れの中で、
手招きしてる。

「入れっかよ!
そんな小さなとこに三人も!
俺はでかいんだってば」


「ろーく…」


結局、あいりの指示で、
俺が押し入れの奥に何とかおさまり、
重なるようにして、
竹本、あいりの順に入った。

そして、なんとか扉を
内側から閉めたのだった。

「狭いですね」

竹本が言った。

「大の大人が押し入れに
押し込められてるって、妙だな」

俺がそう言うと、
あいりにしーっと言われてしまった。


ふうちゃんが、10を数え終わる声がして、
その後、ばたばたと走り回る足音が
聞こえてきた。


なんだろう…
小学生の頃の気持ちを思い出す。

低学年の頃は、
梨子や梨子の弟たちと、
公園で遊んだりしたけど、
梨子が卒業してから、
俺はいつも一人ぼっちだった。