だから、言えない



専務の娘さんが、
棚から大きな鍋を取り出すと
そう言った。

そういうわけで、
俺と竹本は、
元気いっぱいの子供たちと
かくれんぼをすることになった。

なんだかよくわからねぇが、
じゃんけんが行われ、
よく分からねぇまま鬼が決まり、
みんな慌てて散らばっていった。


いや!
どこに隠れんの?
俺、10分前にここにきたばっかだし、
知らない家だし!

竹本は俺に気を遣うこともなく、
さっさと消えてちまったし。

あいつ、中身はこいつらと
同じ小学生の少女じゃねーの?
溶け込んでるよ。
違和感ねーよ。


「いーち……」


とりあえず、
どっかの扉をあけてみっか。
っつっても、この家でかすぎて、
扉だらけ。
隠れんぼしがいはあるけど…


「にーい…」


階段が見えたから、
二階へ行ってみようと歩いていると、
後ろから手を引かれて驚いた。

「連くん!」