だから、言えない



「何、君ら、
そんな関係になってたの?」
「ち、違いますよ!
泊めてもらっただけですって」
「えー?
ほんとー?」

飯田さんは、
半分信じていなさそうだ。

「佐山くんが
手を出さなかったって…
ほんとかな…?」
「ほんとらしいです」

私も覚えてないけど、
佐山さんは嘘をついてないと
信じてるもんね。

「それで、佐山くんとは、
寝て終わり?」

飯田さんが興味津々な調子で聞いた。

「その時はそれで終わりましたけど、
25日は一緒にごはんを食べました」
「え?なになに?
付き合い始めたの?」

飯田さんは、興奮気味で、
声のボリュームが上がってきていた。

「そんなんじゃないですよ。
ただ、佐山さんが
一緒にいたいとおっしゃったので」
「で、なに?
クリスマスディナー?」
「まぁ、私の家で、
一緒にチーズフォンデュを作って
食べただけですけどね」
「もう、それ、恋人じゃんかー!
……ん?」

急に飯田さんが目を細めて
私の後ろを気にしたから、
私もすぐに振り返った。

すると、村薗先輩が
角から出て来て、
こちらへ歩いてくる。